LINE予約システムを無料で自作する4つの方法|通数の計算と限界
更新日:2026年10月5日
LINEで予約を受ける仕組みは、無料でも作れます。方法は大きく4つです。①トークで日時をやり取りする、②リッチメニューから予約ページへ案内する、③Messaging APIで予約の仕組みを自作する、④Lステップなどの拡張ツールを使う。
費用を左右するのは「通数」(お店からお客様に送るメッセージの数)です。LINE公式アカウントの無料プランは月200通までで、お客様への返信は通数に数えませんが、お店から送るリマインドやお知らせは数えます。予約を受けるだけなら①②は無料で始められます。リマインドを自動で送りたい、スタッフの指名を受けたいとなると、③④や予約システムの出番です。
4つの方法の早見表
| 方法 | 費用 | 手間 | 向いているお店 |
|---|---|---|---|
| ①トークでやり取り | 無料(返信は通数に数えない) | すべて手作業。予約が増えると返信が追いつかない | 予約が少なく、常連さん中心のお店 |
| ②リッチメニューから予約ページへ | 予約ページ側の料金(無料プランがある予約システムも) | ほぼなし。空き枠の表示と受付は予約システムが行う | 多くの小規模店。いちばん手堅い |
| ③Messaging APIで自作 | LINE側は無料から。作る手間と、直す人が必要 | 大きい。プログラムの知識と保守が前提 | 作れる人が社内にいて、作り込みたいお店 |
| ④拡張ツール(Lステップ等) | ツールの月額+LINEの料金プラン | 設定が中心。機能はプランで変わる | 配信やタグ管理もまとめて行いたいお店 |
LINE公式アカウントの料金・通数の数え方は、2026年10月5日にLINEヤフーの公式ページで確認した内容です。最新の内容は出典のリンク先でご確認ください。
先に確認|「LINEで予約」は飲食店専用
LINEには「LINEで予約」という公式の予約機能があります。ただし、LINEヤフーの案内では対象は飲食店で、連携する予約台帳サービス(パートナー)との契約が必要です。美容室・整体院・ジム・教室などは、この機能では予約を受けられません。
そのため、飲食店以外のお店がLINEで予約を受けるには、この記事の①〜④のどれかを選ぶことになります。
まず知っておきたい「通数」の数え方
LINE公式アカウントの料金は、月に送れるメッセージの数(通数)で決まります。
| プラン | 月額(税別) | 無料で送れる通数 | 追加で送る |
|---|---|---|---|
| コミュニケーション | 0円 | 200通 | できない |
| ライト | 5,000円 | 5,000通 | できない |
| スタンダード | 15,000円 | 30,000通 | できる(1通あたり〜3円・送る数で単価が変わる) |
通数は「送った回数×送った人数」で数えます。予約の運用で大事なのは、どのメッセージが数えられて、どれが数えられないかです。
| メッセージ | 通数に | 予約での使いどころ |
|---|---|---|
| 1対1のチャットでの返信 | 数えない | ①のトークでの日時のやり取り |
| 応答メッセージ(キーワードへの自動返信) | 数えない | 「予約」と送られたら予約ページのURLを返す |
| あいさつメッセージ(友だち追加時) | 数えない | 友だち追加のお礼と予約ページの案内 |
| お店から送る配信(一斉・絞り込み・ステップ) | 数える | 空き枠のお知らせ、キャンペーン |
| Messaging APIのプッシュ(お店のタイミングで送る) | 数える | ③で作る前日のリマインド |
| Messaging APIの応答(Reply) | 数えない | ③で、お客様のメッセージにその場で返す |
計算してみる|リマインドで200通はすぐ埋まる
前日のリマインドは、お客様が何も送っていないときにお店から送るので、数えられる側です(応答では送れません)。たとえば月に予約が80件あり、前日と当日の2回リマインドを送ると、それだけで80件×2回=160通。ここに月1回のお知らせを友だち100人に送れば100通が加わり、無料の200通を超えます。
無料プランは追加の送信ができないので、超えた分は送れません。リマインドに加えてお知らせの配信もするなら、月5,000円のライトプランが前提になる、と考えておくと計画が立てやすくなります。
方法① トークで日時をやり取りする
LINE公式アカウントを開設し、トークで「○日の○時は空いていますか?」とやり取りして予約を受ける方法です。返信は通数に数えないので、予約を受けるだけなら費用はかかりません。
- よいところ——始めるのに準備が要らない。常連さんとの関係がそのまま続く。
- 困るところ——施術中や営業後に返信が溜まる。同時に何人かとやり取りしていると、同じ枠を2人に約束してしまう(二重予約)。予約の記録がトークに埋もれ、「この人は何回目か」が分からない。
二重予約は、トークのやり取りと予約の台帳(紙・カレンダー)が別々になっていることで起きます。①で続けるなら、返事をする前に必ず台帳に仮押さえを書く順番をお店のルールにしておきましょう。
方法② リッチメニューから予約ページへ案内する
トーク画面の下に出るボタン(リッチメニュー)に「ご予約はこちら」を作り、予約システムの予約ページにつなぐ方法です。お客様はLINEから1タップで空き枠を見て予約でき、受付は予約システムが自動で行います。
作り方
- LINE公式アカウントを開設する(無料のコミュニケーションプランで可)
- 予約システムで予約ページを作り、URLを用意する(無料プランがある予約システムも)
- LINE公式アカウントの管理画面でリッチメニューを作り、ボタンのリンク先に予約ページのURLを設定する
- あいさつメッセージにも予約ページのURLを入れる(通数に数えない)
- 応答メッセージで「予約」と送られたら予約ページのURLを返す設定をする(通数に数えない)
この方法なら、LINE側の費用は0円のまま、空き枠の表示・二重予約の防止・予約の記録は予約システムに任せられます。予約の確定連絡やリマインドをLINEで送りたい場合は、予約システムの機能を確かめましょう。予約システムからメールで送る形なら、LINEの通数は使いません。
方法③ Messaging APIで予約の仕組みを自作する
LINEの開発者向けの仕組み(Messaging API)を使うと、トークの中で予約を受けたり、リマインドを自動で送ったりする仕組みを自分で作れます。LINEヤフーの案内では、Messaging APIは無料から始められ、送れる通数はLINE公式アカウントの料金プランに従います。
作るときに必要なもの
- お客様のメッセージを受け取るサーバー——LINEから「お客様がこう送ってきました」と知らせてくる先(Webhook)として、HTTPS(暗号化された通信)で受けられるサーバーが必要です。Googleスプレッドシートのプログラム機能(Apps Script)で無料で作る例が多く公開されています。
- 空き枠の台帳——スプレッドシートなどで「どの日時が空いているか」を持ち、予約が入ったら埋める仕組み
- 二重予約を防ぐ処理——2人がほぼ同時に同じ枠を押したとき、後の1人を断る処理。ここが抜けると、①と同じ二重予約が自動で起きます
- キャンセル・変更の受け付け方——トークで「変更したい」と言われたときの流れ
- 止まったときの連絡手段——仕組みが動かなくなった日に、お客様を困らせない案内
無料で作るときの限界
- リマインドはプッシュなので通数を使います(前の節の計算のとおり)。
- Apps Scriptで作る場合、Googleの公表値では、無料アカウントは自動で動かせる時間が1日合計90分まで、1回の処理は6分まで、といった上限があります。
- 作った人がいなくなると直せません。LINEやGoogleの仕様が変わったときに、誰が直すかを先に決めておきましょう。
「LINEの中で予約が完結する」体験は魅力的ですが、裏側は予約システムをひとつ作るのと同じです。作り込みたい理由がなければ、②で受付を固めてからでも遅くありません。
方法④ Lステップなどの拡張ツールを使う
LINE公式アカウントに機能を足すツール(Lステップ、エルメなど)には、予約の受付やリマインドの機能を持つものがあります。配信の自動化やお客様のタグ管理もまとめて行いたいお店に向いています。
- 費用は二重にかかる——ツールの月額に加えて、LINE公式アカウントの料金プランも必要です。リマインドなどの送信はLINEの通数を使います。
- 予約機能が使えるプランを確認する——無料プランでは予約機能やスタッフ数に制限があることがあります。料金と機能は変わりやすいので、各ツールの公式の料金ページで確かめてください。
個人情報はどこに残るか
LINEで予約を受けると、お客様の情報があちこちに残ります。どの方法でも、どこに何を保存しているかを把握しておきましょう。
- ①トーク:LINEのトーク履歴に、名前・日時・相談の内容が残る
- ②予約ページ:予約システムに、名前・電話番号などが保存される(お店のLINE公式アカウントのトークには予約の内容が残らない)
- ③自作:自分で用意したスプレッドシートやサーバーに保存される。共有の設定を誤ると外から見えてしまうので注意
- ④拡張ツール:ツールの事業者のサーバーに保存される
スタッフが個人のスマホでトークに返信する運用だと、退職した後もやり取りが手元に残ります。業務用の端末を決める、管理画面のアカウントを人ごとに分けるなど、早めに決めておくと安心です。
どの方法を選ぶか
- 予約が少なく、返信の手間が気にならない→①で始める。返事の前に台帳に仮押さえ、を徹底。
- 予約を自動で受けたい・二重予約をなくしたい→②。LINE側は無料のまま、受付は予約システムに任せる。
- LINEの中で予約を完結させたい・作れる人がいる→③。リマインドの通数と、保守する人を先に決める。
- 配信やタグ管理も一緒にしたい→④。ツールとLINE、両方の料金を足して比べる。
オーダーカレンダーの場合
オーダーカレンダーは方法②で使えます。予約ページのURLは無料プランから発行でき、LINEのリッチメニューやあいさつメッセージにそのまま設定できます。
確定の連絡や前日のリマインドをLINEで送りたい場合は、スタンダードプラン(月額2,980円・税別)以上にLINE通知オプション(月額980円・税別)を追加します。リマインドは前日の18時と開始の3時間前に自動で届きます(お客様がLINE連携した場合)。この通知はオーダーカレンダーのLINE公式アカウントから届くため、お店のLINE公式アカウントの通数は使いません。新しい予約やキャンセルを、お店のLINEに知らせることもできます。
LINEのトークの中だけで予約が完結する形(方法③に近いもの)は、現在準備中です。詳しくはLINE通知・リマインド対応の予約システムをご覧ください。
よくある質問
LINE公式アカウントだけで予約を受けられますか?
トークでのやり取り(方法①)なら受けられます。ただし空き枠の表示や二重予約の防止はできません。LINE公式の予約機能「LINEで予約」は飲食店向けで、連携パートナーとの契約が必要です。
予約のリマインドは通数に数えられますか?
お店のタイミングで送るリマインドは、配信やMessaging APIのプッシュにあたるため数えられます。お客様のメッセージへの返信(チャット・応答メッセージ・Messaging APIの応答)は数えられません。
無料プランの200通で、何件くらいの予約をさばけますか?
予約を受けるだけ(返信・応答・あいさつ)なら通数を使わないので、件数の上限はありません。リマインドを1件1通送るなら、ほかの配信と合わせて月200通までです。前日と当日の2回なら、月100件で上限に届きます。
Messaging APIは無料ですか?サーバーは必要ですか?
Messaging APIは無料から始められ、送れる通数はLINE公式アカウントの料金プランに従います。お客様のメッセージを受け取るには、HTTPSで受け取れるサーバー(Apps Scriptなどでも可)が必要です。
LINE予約で二重予約を防ぐには?
やり取りと台帳を一つにすることです。トークで受けるなら、返事をする前に台帳に仮押さえを書く。自動にするなら、空き枠を管理して同時に押されたときに片方を断る仕組みを持つ予約システム(方法②)か、その処理を作り込んだ自作(方法③)が必要です。
スタッフの指名やキャンセルは、LINEでどう受けますか?
トークで受けるなら、指名もキャンセルもお店が手作業で台帳に反映します。予約ページに案内する方法なら、指名やお客様自身のキャンセルに対応した予約システムを選べば、その仕組みでそのまま受けられます。
出典(すべて2026年10月5日に確認)
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」
https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/plan/ - LINEヤフー for Business「LINEで予約」
https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/reservation - LINE Developers「Messaging APIの概要」
https://developers.line.biz/ja/docs/messaging-api/overview/ - LINE Developers「メッセージを送信する」
https://developers.line.biz/ja/docs/messaging-api/sending-messages/ - Google Apps Script「Google サービスの割り当て」
https://developers.google.com/apps-script/guides/services/quotas?hl=ja - オーダーカレンダーのLINE通知の仕様:LINE通知・リマインド対応の予約システム・料金ページ
「LINE」はLINEヤフー株式会社の商標です。「Lステップ」「エルメ」は各社の商標です。