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キャンセルポリシーの例文と決め方|業種別の期限・料率・見せ方

公開日:2026年9月26日

キャンセルポリシーとは、「いつまでに・どの方法で連絡すれば無料で取り消せるか」「期限を過ぎたとき、連絡がないときにいくらかかるか」「例外は何か」を、予約の前にお客様へ示す約束です。ただし、ページに掲載するだけで、すべての予約に当然適用されるわけではありません。契約が成立する前にお客様が確認できる形で示し、予約の契約内容に組み込まれていることが必要です。料率は業界の相場を写すのではなく、自店でキャンセルが出たときの損害を記録から整理して決めます。消費者との契約では、同じ種類の取り消しで店に生じる平均的な損害を超える部分は無効になる(消費者契約法9条1項1号)ため、理由を説明できる数字にしておくことが大切です。

キャンセルポリシーで決める5つの項目

決める項目書き方の例決め方のポイント
無料で取り消せる期限ご来店の◯時間前まで空いた枠を別のお客様で埋め直せる最後の時点
期限後の料金当日のご連絡:施術料金の◯%記録シートで整理した損害から出す
無断キャンセルの扱い施術料金の◯%/次回のネット予約の扱い連絡がなく埋め直せない分を記録から見る
連絡の方法予約確認ページ・電話電話をかけにくい人でも取り消せる手段を用意する
例外急病・災害・公共交通機関の運休料金をいただかない場合を先に決める

この記事の例文と数字は、書き方を示すための例です。そのまま使えば法的に有効だと保証するものではありません。

確認日:2026年9月25日

キャンセルポリシーとは|予約の前に示し、契約内容にする約束

予約は、多くの場合、店とお客様の間の契約にあたります。経済産業省が発表した飲食店向けの「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」(2018年11月1日)は、次のように整理しています。

一般的に、飲食の提供契約は、予約方法が何であるかに関わらず、内容が確定していれば、その時点で契約は成立すると考えられる。契約の内容が表示されるネット予約はもちろんのこと、口頭のみの電話予約であっても、契約は成立することがある。

これは飲食店についての整理です。サロン・治療院・教室でも同じように考えられることが多いものの、業種や予約の取り方によって扱いが変わることがあります。

キャンセルポリシーには、2つの役割があります。

  1. 取り消し方を知らせる:いつまでに、どこから連絡すればよいか。お客様が迷わず連絡できれば、無断キャンセルが「連絡のあるキャンセル」に変わり、空いた枠を埋め直せる可能性が出てきます。
  2. 料金の取り決めをする:期限を過ぎた取り消しや無断キャンセルのときに払ってもらう額を、先に決めておきます。キャンセル料の定めは、法律上、損害賠償額の予定や違約金として扱われることがあります(民法420条は、当事者が損害賠償の額を予定できること、違約金は賠償額の予定と推定されることを定めています)。この記事では主にこの場合を説明します。

2つ目の取り決めが契約内容になっていない場合でも、店が実際の損害を示して損害賠償を求められる場合はあります。ただし、それは取り決めに基づく請求とは別の話です。請求の考え方と手順は「無断キャンセルのキャンセル料は請求できる?相場・法律・請求の手順」で扱います。

共通のテンプレート

どの業種でも使える骨組みです。◯の部分は、後の「記録シート」で整理した内容をもとに、店が決めて埋めます。

キャンセルについて(◯年◯月◯日以降のご予約に適用)

  • ご予約の変更・キャンセルは、ご来店の◯時間前まで無料です。
  • 変更・キャンセルは予約確認ページから、またはお電話(◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯・受付◯時〜◯時)でご連絡ください。
  • ◯時間前を過ぎてからのキャンセル:◯◯の◯%
  • ご連絡のないキャンセル:◯◯の◯%
  • ◯分を超えて遅れる場合は、施術時間を短くするか、キャンセル扱いとさせていただくことがあります。
  • 急病、災害、公共交通機関の運休など、◯◯の場合は料金をいただきません。
  • 料金の考え方についてご質問があれば、お問い合わせください。

適用開始日を入れておくのは、ポリシーを変えたときに、どの予約にどの版が適用されたかを後から確かめられるようにするためです。

業種別の例文(料率は空欄)

以下は書き方の例です。料率の数字はあえて空欄(◯%)にしています。業種ごとの相場の数字はなく、店ごとの損害から決めるものだからです。例文の下に「根拠メモの書き方の例」を1行付けています。これはメモの書き方の見本で、その理由があれば料金が認められるという意味ではありません。

美容室・ヘアサロン

ご予約の変更・キャンセルは、ご来店の◯時間前まで予約確認ページから承ります(無料)。それ以降はお電話でご連絡ください。

  • ◯時間前を過ぎてからのキャンセル:ご予約メニュー料金の◯%
  • ご連絡のないキャンセル:ご予約メニュー料金の◯%
  • 急な体調不良、災害、公共交通機関の運休の場合はご相談ください。

根拠メモの書き方の例:「当日の指名枠を埋め直せた件数は過去3か月で◯件中◯件。カラー剤は開封前なら次の予約に回せる」

ネイル・まつげエクステ

ご来店の◯時間前までのご連絡は無料です。

  • それ以降のキャンセル・日時変更:施術料金の◯%
  • ご連絡のないキャンセル:施術料金の◯%
  • ◯分以上遅れる場合はご連絡ください。◯分を過ぎた場合、施術内容を短くするか、キャンセル扱いとさせていただくことがあります。

根拠メモの書き方の例:「1人営業のため、当日のキャンセル枠を埋め直せた記録は過去3か月で◯件中◯件」

エステ・リラクゼーション(1回ごとのご予約)

1回ごとのご予約のキャンセルは、開始◯時間前まで無料です。

  • それ以降のキャンセル:施術料金の◯%
  • ご連絡のないキャンセル:施術料金の◯%

※回数券・コースのご契約の中途解約は、ご契約書面の定めと特定商取引法によります。

根拠メモの書き方の例:「ベッド1台・担当1名。当日のキャンセルを埋め直せた件数は◯件中◯件」。コース契約は、後の「コース契約は特定商取引法を確認する」を見てから書きます。

整体・治療院(自費の施術)

ご予約の変更・キャンセルは、開始◯時間前までご連絡ください(無料)。

  • ご連絡のないキャンセルが続いた場合、次回からはお電話でのご予約のみとさせていただくことがあります。

根拠メモの書き方の例:料金を取らず、予約の受け方で対応する例です。料金を決めない選び方もあります。保険診療を扱う場合は、この記事の対象外です。

パーソナルジム

セッションの変更・キャンセルは、開始◯時間前まで無料です。

  • それ以降のキャンセル、ご連絡のないキャンセル:◯◯(料金、または回数券の扱いを書く)

※月謝・回数券の扱いはご契約時の書面をご確認ください。

1回分を消化した扱いにする場合も、その金額と条項の有効性を確認します。枠を確保したという理由だけで全額負担が当然に認められるわけではありません。

教室・スクール

お休みの連絡は、レッスン開始の◯時間前までにお願いします。期限までにご連絡いただいた場合は、同じ月の中で振替を承ります。

  • 期限を過ぎたお休み、ご連絡のないお休みは振替の対象外です。

根拠メモの書き方の例:料金ではなく振替の可否で決める例です。月謝制の場合は、月謝の返金の有無も書いておきます。コース契約は、後の特定商取引法の節も確認してください。

部屋・レンタルスペース(時間貸し)

ご利用日の◯日前までのキャンセルは無料です。

  • ◯日前〜前日:ご利用料金の◯%
  • 当日・ご連絡のないキャンセル:ご利用料金の◯%

当日や無断のキャンセルを全額にする場合も、その金額と条項の有効性を確認します。枠を確保したという理由だけで全額負担が当然に認められるわけではありません。根拠メモの書き方の例:「◯日前を過ぎると、空いた枠に新しい予約が入った割合が◯%に下がる」

数字の根拠|損害を整理する記録シート

料率を決める前に、キャンセルが出たとき店に何が起きたかを、区分(前日まで/当日/無断)ごとに記録します。項目を混ぜずに、別々の欄に書くのがポイントです。

記録する欄何を書くか例
① 予定していた料金その予約のメニュー料金売上の記録から
② 支出を避けられた費用キャンセルで使わずに済んだ材料・消耗品開封しなかった薬剤
③ ほかに回せた費用次の予約や別の用途に転用できた材料・人手取り寄せた材料を翌日の予約で使った
④ 代わりの予約で取り戻せた分空いた枠に入った別の予約の売上キャンセル待ちの人が入った
⑤ キャンセルで生じた費用キャンセルのために追加でかかった費用廃棄した材料、連絡・事務の手間
⑥ 無駄になった準備その予約のために準備し、戻せなかった費用前日に取り寄せて使えなかった材料、その時間に出勤してもらった人の人件費

数か月分たまると、「当日のキャンセルでは、代わりの予約で取り戻せたことがほとんど無い」「前日までなら半分以上埋まっている」といった、区分ごとの違いが見えてきます。

計算してみる場合の例(仕組みを示すための仮の数字で、実在の店や相場ではありません)

次の仮定を置いたときの計算です。仮定:その区分の損害は「予定していた料金から、避けられた費用とほかに回せた費用を引き、代わりの予約で取り戻せた分を引いたもの」と考える。利益(本来得られたはずの利益)を含める形で計算している。⑤⑥は①の中に含まれる費用として別に足さない。

  • 1枠の料金8,000円、避けられた費用とほかに回せた費用の合計が1件平均800円、当日キャンセルのうち代わりの予約で埋まったのが過去3か月で10件中2件の店
  • 当日キャンセル1件あたりの損害の目安 =(8,000円 − 800円)×(1 − 2/10)= 5,760円

これは記録を整理するための計算で、この額までなら有効という基準ではありません。利益分を平均的な損害に含めるかどうかは見解が分かれています(経産省のレポートも「見解が分かれている」と注記しています)。料率を決めるときは、この記録と、次の節の法律の考え方の両方を見て判断し、心配なら専門家に確認してください。

裁判例で使われた考え方(参考)

  • 東京地方裁判所 平成14年3月25日判決(平成14年(レ)第12号):飲食店のパーティー予約を2か月前に解約した事案の控訴審で、裁判所は1人あたりの料金4,500円の3割に予定人数の平均35名を掛けた4万7,250円を「平均的な損害」と認めました(経産省レポート 参考⑮)。消費者庁の資料は、この判決が、解除の事由・時期のほか、逸失利益・準備費用・利益率などの損害の内容や、契約の代替可能性・転用可能性などに照らして判断するとした、と整理しています。
  • 京都地方裁判所の結婚式場の事件(平成23年(ワ)第3425号):経産省レポートの紹介によれば、平均的な損害を「解除時見積額の平均 × 粗利率 ×(1 − 再販率)」で算定すべきとしました。判決日と判決文は確認していません(レポートの紹介による)。

どちらも飲食・婚礼の事案で、サロンや教室の料率がそのまま決まるものではありません。

記録の付け方は「ノーショーとは|無断キャンセルを減らす予約前・前日・当日の対策」の「効果の測り方」でも紹介しています。記録を1〜3か月つけてから料率を見直す、という順番でも構いません。

他店の例文にある「当日100%」を、お客様に理由を聞かれたとき、自店のどの記録で説明しますか。

書いておけば必ず請求できる?|消費者契約法で無効になる部分

契約内容になったポリシーでも、書いた金額がそのまま全部有効になるとは限りません。

平均的な損害を超える部分は無効(9条1項1号)

消費者契約法9条1項1号は、次のように定めています。

当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

無効になるのは「超える部分」です。消費者庁の逐条解説は、キャンセル料(損害賠償の予定)と違約金を両方定めた場合は合算して判断するとし、「損害賠償の予定3万円+違約金2万円=5万円」が平均的な損害4万円を超える例を挙げています。

「平均的な損害」は業界の相場ではなく、その店の平均

消費者庁の逐条解説は、平均的な損害を次のように説明しています。

当該消費者契約の当事者たる個々の事業者に生ずべき損害の額について、契約の類型ごとに合理的な算出根拠に基づき算定された平均値であり、当該業種における業界の水準を指すものではない。

他店の例文にある料率をそのまま写すと、自店の実際の損害とずれることがあります。

期限を段階に分けるのは「区分ごとに判断される」から

条文の「解除の事由、時期等の区分に応じ」は、ポリシーに書いた区分(例:前日まで/当日/無断)ごとに平均的な損害を見る、という意味です。逐条解説は結婚式場の例で、1年以上前の取り消しに契約金額の80%を求める定めは通常は平均的な損害を超えると考えられ、前日の取り消しに80%を求める定めは通常は超えるとはいえない、と説明しています。早い時期の取り消しほど、埋め直せる可能性が高くなりがちです。

理由を聞かれたら説明するよう努める(9条2項)

2023年6月1日に施行された改正(令和4年法律第59号)で、9条2項が加わりました。

事業者は、消費者に対し、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項に基づき損害賠償又は違約金の支払を請求する場合において、当該消費者から説明を求められたときは、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠(中略)の概要を説明するよう努めなければならない。

努力義務なので、これに反したことで直ちに取り消しや損害賠償の効果が生じるものではない、と逐条解説は書いています。説明は「具体的な数字」までは必要なく、考慮した費用の項目などを説明すれば足りるともしています。逐条解説の例では、結婚式場が「装飾品の仕入れや司会者等の人員の手配を挙式の1か月前に通常は完了させており、中止になっても費用が発生する」と答えれば、努力義務を果たしたことになるとされています。記録シートは、この説明にそのまま使えます。

9条の範囲内でも、ほかの条文で無効になることがある

  • 8条(店の責任を免除する条項):店の債務不履行や不法行為でお客様に生じた損害について、店の賠償責任の全部を免除する条項などは無効です(故意・重大な過失の場合は一部の免除も無効)。たとえば「店の都合で予約を取り消しても、当店は一切責任を負いません」のような書き方は、この点から見直します。
  • 10条(一方的に不利な条項):法律の任意規定より消費者の権利を制限し、または義務を重くする条項で、信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効です。お客様にだけ重い条件を課していないかも見直しておきます。

金額が平均的な損害の範囲に収まっていても、ほかの条文で無効になることがあります。

コース契約は特定商取引法を確認する

期間と金額が一定以上のコース契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたり、契約全体を中途解約するときに請求できる額に法律の上限があります。コース中の1回の欠席・無断キャンセルと、契約全体の中途解約は別の場面です。下の表は後者の上限です。

以下は、各役務の法定の対象要件を満たす契約についての期間・金額と中途解約時の上限です。美容医療などは、対象となる施術・役務の範囲にも条件があります。

役務期間・金額役務提供開始前の上限役務提供開始後の上限(提供済み分の対価に加えて)
エステティック1か月を超え、5万円を超える2万円2万円または契約残額の10%の低い額
美容医療1か月を超え、5万円を超える2万円5万円または契約残額の20%の低い額
語学教室2か月を超え、5万円を超える1万5,000円5万円または契約残額の20%の低い額
家庭教師2か月を超え、5万円を超える2万円5万円または1か月分の授業料相当額の低い額
学習塾2か月を超え、5万円を超える1万1,000円2万円または1か月分の授業料相当額の低い額
パソコン教室2か月を超え、5万円を超える1万5,000円5万円または契約残額の20%の低い額
結婚相手紹介サービス2か月を超え、5万円を超える3万円2万円または契約残額の20%の低い額

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(2026年9月25日確認)。コース中の1回分をどう扱えるかは契約の内容によって変わるため、コース契約を扱う店は専門家に確認してください。

この記事の考え方がそのまま当てはまらない場合

  • 法人や、事業のために予約する個人との契約:消費者契約法の「消費者」は、事業として、または事業のために契約する場合を除く個人です(2条)。社員研修の会場予約などは9条の対象外で、民法の一般的な考え方で判断されます。
  • 医療機関・保険診療:この記事の対象外です。

遅刻・日時変更・無断・例外を分けて書く

1つの「キャンセル料」にまとめず、場面ごとに扱いを分けて書くと、行き違いが減ります。

場面決めておくこと書き方の例
遅刻何分から施術を短くするか・キャンセル扱いにするか◯分を過ぎた場合は、施術時間を短くするか、キャンセル扱いとさせていただくことがあります
日時変更変更を取り消しと同じに扱うか期限までの日時変更は無料です
無断料金と、次回の予約の扱いご連絡のないキャンセルが続いた場合、次回からのネット予約をお受けできないことがあります
例外料金をいただかない場合急病・災害・公共交通機関の運休の場合は、料金をいただきません

例外は、店が「この場合は料金をいただかない」と決めておく方針です。反対に、法律上請求できないものを、規定に書くだけで請求できるようにすることはできません。

遅刻の基準は業態で違います。経産省のレポートは、海外の予約サービスの例として「多くの飲食店では、遅刻は15分間のみ許容している」を紹介していますが、これは飲食店の例です。施術時間が決まっている店では、次の予約に響く時間から逆算して決めます。

どこで見せるか|提示と同意の記録を残す

経産省のレポートは、インターネット上でキャンセルポリシーを示すことに加え、電話予約でも最低限の説明をすべきとしています。大事なのは、予約が成立する前にお客様が確認できる形で示し、予約の契約内容に組み込むことです。予約ページに同意のチェック欄を置く方法もありますが、チェック欄があれば必ず有効になるわけではありません。内容が分かりやすく示されていたか、金額が法律の範囲かも問われます。

場所見せる内容目的
予約ページの送信ボタンの近くポリシーの全文予約が成立する前に条件を確認してもらう
電話予約のとき期限と料金を口頭で伝え、伝えたことを予約メモに残す口頭の予約でも契約内容にする
予約の控え(メール・LINE)無料で取り消せる期限と、取り消し方予約した後に確かめられるようにする(控えだけで初めて示すのでは足りない)
前日のリマインド取り消しの方法行けなくなった人が連絡しやすくする
店頭・ホームページポリシーの全文常連のお客様にも改めて知らせる

記録として残しておくもの:

  • ポリシーの版(適用開始日つきの全文)と、変えた日
  • 予約ごとに、どの版を、どの画面・どの方法で示したか(ネット予約なら予約日時、電話なら伝えた日時と担当者)

ポリシーを変える前に受けた予約に、あとから新しい料金を当てはめないようにします。

ポリシーを作った後|実際に請求するかを決めるとき

ポリシーがあっても、実際に料金を求めるかは店の判断です。一度だけの無断キャンセルや、事情が分かったお客様には請求しない判断をする店もあります。請求するなら、次の点を確かめてからにします。

  • その予約が成立する前にポリシーを示し、契約内容になっていたか(示した版と記録があるか)
  • 金額の根拠を説明できるか(記録シート)
  • 相手の連絡先が分かり、払ってもらう方法があるか

請求の手順と、やってはいけない対応は「無断キャンセルのキャンセル料は請求できる?相場・法律・請求の手順」で扱います。

専門家に相談する目安

この記事は、法律の一般的な考え方を紹介するもので、個別の事案についての助言ではありません。次のような場合は、弁護士に相談してください。

  • ポリシーの料率や書き方が法的に問題ないか、自店の記録で確かめてほしいとき
  • コース契約・回数券・月謝など、特定商取引法が関わるかもしれない契約を扱っているとき
  • 法人向けの予約や高額な予約で、独自の契約書を作るとき

なお、各地の消費生活センター(消費者ホットライン188)は、主に消費者からの相談を受ける窓口で、お客様がキャンセル料に納得できないときの相談先として案内されています。

オーダーカレンダーで設定できること

予約受付システム「オーダーカレンダー」で、キャンセルポリシーに関わって設定できることは次のとおりです(確認日:2026年9月25日)。

できること内容使えるプラン
ポリシー文の表示管理画面の設定で書いた「キャンセルポリシー・ご予約時の注意事項」(1,000字まで)を、予約ページの送信ボタンの上と、予約確認ページに表示全プラン
お客様がオンラインで取り消せる期限「制限なし」、または開始1・3・6・12・24・48時間前から選ぶ。予約ページ・完了画面・控えのメール・LINE通知に、店が設定した期限が表示される全プラン
期限を過ぎたとき予約確認ページの取り消しボタンが消え、お店への電話を案内する全プラン
受付を止める無断キャンセルを繰り返す人の電話番号からのネット予約を止める全プラン

使う前に知っておいてほしいことがあります。

  • 事前決済・キャンセル料を受け取る機能はありません。オーダーカレンダーでできるのは、ポリシーを予約の前に見せること、オンラインで取り消せる期限を決めて表示すること、取り消しやすい導線を用意することです。料金を求める場合は、店が別に行います。
  • 予約ごとに「どの版のポリシーを示したか」の記録は残りません。表示されるのは、そのとき設定されているポリシー文です。予約確認ページも、予約のあとに文を変えると変更後の文が表示されます。ポリシーを変えるときは、変更前の全文と変えた日を店で控えておいてください。
  • 「無料で取り消せる期限」と「オンラインで取り消せる期限」は別のものです。同じにする必要はありません。たとえば「24時間前まで無料、3時間前までは予約確認ページから取り消せる(24時間前を過ぎた分は料金あり)」という決め方もできます。その場合は、ポリシーに両方を書き分けて、お客様が「オンラインで取り消せた=無料」と受け取らないようにします。オンラインの期限は「開始◯時間前」の形でしか設定できないので、時間で書くと表示と対応させやすくなります。
  • 期限後の連絡先を書いておきます。オンラインの期限を過ぎると電話の案内になります。ポリシーに電話番号と受付時間を書いておくと、無断キャンセルになる前に連絡をもらえる可能性が高まります。
  • フリープランは0円(スタッフまたは部屋1つ)、スタンダードは月2,980円、プレミアムは月6,980円です(税別・先行導入価格)。前日のLINEリマインド(LINE通知オプション・月980円)はスタンダード以上に追加できます。

よくある質問

キャンセルポリシーは必ず作らないといけませんか?

法律で義務づけられてはいません。ただ、取り決めが無いと、料金を求めるときに実際の損害を店が一件ずつ示す必要があり、現実には難しいことが多くなります。取り消しの連絡方法を知らせる役割もあるので、料金を決めない場合でも、期限と連絡方法だけは書いておくと役に立ちます。

当日キャンセル100%は違法ですか?

一律には言えません。その店で当日キャンセルが出たときの平均的な損害を超える部分が無効になります(消費者契約法9条1項1号)。当日に埋め直せず、避けられる費用もほとんど無い店と、すぐに次の予約が入る店とでは、結論が変わります。

ネットにある例文をそのまま使ってもいいですか?

文の形は参考にできますが、数字は自店の記録から決めてください。「平均的な損害」は業界の水準ではなく、その店の平均とされています。

体調不良のキャンセルでも料金をいただけますか?

体調不良という理由だけで一律には決まりません。契約内容、キャンセルの事情、条項の有効性などで扱いが変わります。店の免除方針を定めておくことはできますが、法律上請求できないものを規定だけで請求できるようにはできません。

電話で受けた予約にもポリシーは使えますか?

電話予約でも、予約が成立する時に期限と料金を伝え、契約内容にしておく必要があります。経産省のレポートも、電話予約で最低限の説明をすべきとしています。伝えた日時と担当者を予約メモに残しておきます。

この記事は法律の一般的な解説で、個別の事案への助言ではありません。

出典(すべて2026年9月25日に確認)

  1. 消費者契約法(平成12年法律第61号)第2条・第8条・第9条・第10条(e-Gov法令検索)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061
  2. 消費者庁「逐条解説 消費者契約法 第9条」
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/annotations/assets/consumer_system_cms203_230915_16.pdf
  3. 消費者庁「令和4年消費者契約法改正」(令和4年法律第59号・2023年6月1日施行)
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/amendment/2022
  4. 民法 第420条(e-Gov法令検索)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
  5. 経済産業省「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポートが発表!」2018年11月1日(国立国会図書館 WARP で確認)
    https://warp.ndl.go.jp/20181113/20181101183920/www.meti.go.jp/press/2018/11/20181101002/20181101002.html
  6. サービス産業の高付加価値化に向けた外部環境整備等に関する有識者勉強会「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」2018年11月1日(愛知県飲食業生活衛生同業組合の転載PDF)
    https://www.aichi-inshoku.or.jp/ai_cms/wp-content/uploads/2018/11/444fac2ea9f294cc5d5dbe02557ee654.pdf
  7. 消費者庁「『平均的な損害』について」(2021年6月18日 資料2)
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/meeting_materials/assets/consumer_system_cms101_210617_03.pdf
  8. 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」
    https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
  9. 国民生活センター「消費者ホットライン188」
    https://www.kokusen.go.jp/map/
  10. オーダーカレンダーの製品仕様・料金:料金ページと、当社による本番システムの確認

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この記事について
執筆・監修: 株式会社リスト(予約システム「オーダーカレンダー」開発・運営元。求人・店舗集客メディアを複数運営)。記事の内容は掲載時点の情報です。サービスの最新の仕様・料金は料金ページをご確認ください。 運営会社 特定商取引法に基づく表記